不動産が値上がりする!(近刊書から)

千葉外房,田舎暮らし不動産情報

千葉外房の田舎暮らしHOME >> Topics>>不動産が値上がりする

最近「不動産が値上がりする!」というタイトルの本が出版された。地価の下落がつづいて10年、目新しい、刺激的な言葉である。
そこで、その主張と、現在の不動産・地価の代表的な考え方とを比較してみた。
山本清治
1934年生まれ。神戸大学経済学部卒。
和光証券を経て経済評論家、株式新聞「クラブ9」で的確な論評
著書「円世界制覇の秘密」等

 私は日本の不況の原因は金融不況にあり、金融不況の原因は資産の大暴落にあると思っている。 日本の資産は第一に1,100兆円の不動産、第二に350兆円の株式である。 
不動産も株式も過去10年間に大暴落して半分に減った。 それゆえ私は不動産相場のテコ入れと株式相場のテコ入れを実現して資産の暴落を食い止めることが不況克服の不可欠の条件であると主張してきた。
「価格は需要と供給の接点て決まる」というアダム・スミスの経済理論を私は信奉している。相場をテコ入れするためには需給関係を改善しなくてはならない。
株式について、私は過去10年間供給を減らすことによって需給関係を改善することができると主張してきた。すなわち上場企業が30兆円と推定される持ち合い株式を相互に買い戻して消却すれば、需給関係が大幅に改善して、株価は必ず反騰に転じる。
 不動産については、過去5年間私が提唱し続けてきた不動産投信が今年、ついに発売にこぎ着けた。 投信各社は利回り5%以上の金融商品を売り出して10年以内に15兆円以上の資金を集めると私は予測している。 空前の資金量を持ったアウトサイダーが市場の外部から参入して一方的に不動産を買うのだから、需給関係が大逆転し、反騰に転じる可能性がきわめて高い。
 需給関係を改善して相場を立て直すことがてきるという私の考えは、日本では例外的な少数意見である。 特に若手の二世議員やエコノミストは集団となってマスコミを占拠し政府が行おうとしている株価対策、地価対策を不可能で無益であると断定し、構造改革が先だと主張している。

「不動産投信は不動産相場テコ入れの特効薬となる」

 私が待望して久しかった不動産投信が日本の株式市場にデビユーするときが来た。
不動産投信は日本の金融市場でも、不動産市場でも、これまでに見たことのないアウトサダーである。このアウトサイダーは不動産市場の外部から1兆円単位のニューマネーを集めて不動産を買い進み、たちまち不動産市場の主役に踊り出るだろう。
日本の不動産相場は資金が少なくて暴落したわけではない。資金は世界中のどの国よりも圧倒的に有り余っているのである。銀行には450兆円の預金がある。郵便局には250兆円の貯金がある。合計で700兆円の巨大な預貯金がゼロ金利に泣かされている。
 一方で、高利回りで投げ売りされている不動産がある。買い手がいないために10%なかには15%というべらぼうな利回りで叩き売りされている不動産も少なくない。
 これまでは不動産市場と金融市場をつなぐパイプがなかったために、同じ日本でゼロ金利の世界と10%の超高金利の世界が別々に存在していた。これからスタートする不動産投信は、二つの世界を新しいバイパスで直結する。アメリカ生まれのシステムである。
 たとえば、100億円のテナントビルが平均7%の利回りで10棟売り出されたとする。一流の銀行や不動産会社が不動産投信を設立し、1,000億円を1口100万円の株式に分割して、10万人の投資家に0.5%の手数料をもらって、7.5%の利息を付けて売り出せば買いたい人はいくらでもいるのは明らかだ。
 それが不動産投信である。不動産投信は利益を全部投資家に配当することを条件に税金を免除される。株式市場に上場するから、値上がり益も期待できる。株式と同様に売買は自由である。値下がりするリスクはあるが、現在の不動産相場を前提にすれば、値上がりする可能性の方がはるかに大きい。
 おそらく、不動産投信は10年以内に15兆円以上の資金を集めて不動産相場をテコ入れし、日本経済の救世主となるだろう。

「不動産が10%上がれば、資産は100兆円増える」

 アメリカの資産は、1に株式、2に不動産である。しかし、日本の資産は、1に不動産、2に株式である。 日本の不動産の時価総額は暴落したとはいえ、現在も1,100兆円で、株式の3倍のスケールを維持している。不動産が10%下がるか上がるかで、日本の資産は100兆円も上下する。日本の不況の原因は、資産の大デフレにある。 資産のなかでも不動産の暴落を食い止めることに成功すれば、不況は終わる。
 私は久しく、不動産の暴落を阻止する救世主は不動産投資信託であると考えて、早期認可と早期実施を訴えてきたが、その期待がついに現実に変わった。今年中には、不動産投信が東京証券取引所に次々に上場する。不動産投信は巨大な資金を集めて地価革命を起こすだろう。地価革命は次のような特徴を備えているだろう第一に、巨大不動産の所有権があたかも株式会社の株式のように分割されて大企業や金持ちの手から、無数の投資家の手に移る。
第二に、巨額の不動産投資を必要とするホテル、百貨店、スーパー、ショッピングモール、倉庫、病院などは設備を不動産投信に売却して本業の経営に持化する。
第三に、不動産の価値はその不動産が生み出す利回りによって評価される
第四に、金融市場と不動産市場の間が高速バイパスで直結される。テナントビルの利回りが10%で、定期預金の利回りが0.1%というような、極端な利回りの格差は縮小する。
第五に、不動産の利回りは、次第に国債や預貯金の利回りに収れんする。不動産投信は日本の金融市場に新しい金融商品としてがっちりと組み込まれる。すなわち、不動産の利回りが10%から5%に低下すれば不動産相場は2倍に上昇するのである。

「不動産投信のパワー」

 2001年1月3日に政府は新しい緊急経済対策を発表し、これに「デフレ対策」の見出しを冠した。政府はついに不況の原因か資産デフレにあり資産デフレを解決しなければ不況は克服できないことを、正確に認識したのである。
私が不動産相場の暴落を阻止せよと訴えてからすでに8年が経過した。この間、政府は財政投融資だけの不況対策に活路を求めてきたが、景気は好転せず税収入が低迷したから、赤字国債が累計して400兆円に達した。
私の説く不況対策はシンプルで不動産投信を認可して、不動産市場に民間の資金を導入するという一点に尽きる。政府は不動産投信の認可に必要な法律を準備し不動産投信が機能するための税制を改正するだけてよい。 新たに財政を出動させる必要はない。
日本の不動産相場は資金がなくて暴落したわけではない。日本にはゼロ金利から脱出したい700兆円の預貯金がある。その対極には買い手不在で5%の超高利回りで投げ売りされている不動産がある。マネーは本来ならば金利の高い方へ流れるが、そうならないのは、次のような制約があるからである。第一に不動産相場の先安感、第二に不動産の単価の巨大さ、第三に苛酷な税制、第四に売りたいときに売れない、などである。 そこでもし、これらの制約を完全に取り除けば、マネーは必ず奔流となって不動産市場に流れ込むだろう。
 それでも現実には、投資家はさまぎまな試行錯誤を経て、もっとも安全な預貯金に逃げ込んだのである。不動産投信がよほどの魅力と信用を示さなければ、700兆円の預貯金を引きつけることはできない。
 幸いにも、不動産投信は株式市場に上場するから、情報が伝わるスピードが早い。 高い利回りや変化する株価や不動産の売買情報がマスメディアを通してリアルタイムで報道される。初めは処女のごとく状況を見守っている投資家も、魅力溢れる条件を確認するにつれて、やがては脱兎のごとく買い付けるのではないだろうか。

「相場が弱きになっている今が底だ」

 不動産相場が10年間も暴落を続けると、弱気が充満して、弱気の理論構成がち密となり説得力を持つ。
 しかし、「弱気論者は理路整然と相場判断を間違う」という格言もある。弱気論者が理路整然と弱気の根拠を説明するようになれば、相場は陰の極に近いという、きわめて非論理的な、しかしきわめて重要な経験則がある。
現に不動産相場についてはエコノミストもマスコミも弱気一色であるが、弱気一色の市場のムードこそ、強気の最大の根拠である。
 ハブル時代の末期には、シンクタンクを持ち、優等生を集めて、もっとも慎重であった大銀行が不動産業界に競ってカネを貸した。その銀行が、今金融監督庁の秀才官僚の圧力を受けたとはいえ、争って不良債権の償却に踏み切った
 相場の世界ではしばしば天井を買った人が底値をぶん投げる。
 それゆえ、不動産投信は今が買い場だと私は思う。
現在は私の強気論は少数者見であるが、少数者見が多数意見となり、不動産投信は日本の救世主だという意見が主流になれば、そのときには今不動産投信を買った人は、半分を利食い売りすれはよいと思う。
それが私の実戦的相場観である。

「不動産相場を弱気に見るのは現状分析にすきない」

 10年間も不動産相場の暴落が続くと、なぜ暴落したかという分析が進み、もっと下がるという弱気論が説得力を持ち、市場を支配する。
第一に、日本はこれから人口が減るから、オフィスの需要も、住宅の需要も減るという弱気論がある。
 しかし、戦後、日本の人口が急増し、高度成長が続いていた時代にも、地方では人口は減り、過疎化が進んだ。東京でも昼間の人口は増えたが、夜間の人口が減り、今また都心回帰が起こっている。人口は都市により、職業により、時代により、常に流動化しているから、総論で捉えると判断を間違う。
 アメリカでは、都市により、年代によって不動産相場が急騰している地域と、横ばいの地域が入れ替わる。
 ヨーロッパは、大半の国で日本以上に人口が減少しているが、住宅価格は短期的にも長期的にも、上昇軌道をたどっている。 
 90年代に地価が10年連続で暴落したのは世界の主要国で日本だけてある。次のチャートで
日米英の不動産価格の異常なかい離を確認されたい。
 第二に、オフィス需要は、情報通信革命が進展すれば拡大する。東京でも、港区や渋谷区でオフィス需要が急増しているのは、情報通信関連のビジネスが多いからである。 銀行の支店では従業員が激減しているが、店頭は端末機が増えて、手狭になっている。 高度情報化社会では、オフィススペースの需要は増える。
 個人でも、自宅に端末機を置くための書斎を必要とするような人たちは、職業選択の機会が多い。 これに対して、一流大学を卒業して一流企業に就職し、記憶力を財産に管理職を勤めていた人たちが、パソコンにポストを奪われている。 弱気論者は弱気の先入観でものを見るから斜陽の部分ばかりが目について、成長する部分が見えないのだろう。
 そもそも人口が増えないから、住宅が余るという発想があまりにも貧弱である。日本人はだれでも、できればより快適な環境で、より広い住宅に住みたいに違いない。バブル時代には、ウサギ小屋からの脱出が日本中のコンセンサスであった。たった10年間、不況に遭遇したくらいで、やっはりウサギ小屋でよかったのだと、逆戻りするような発想が正しいとは思えない。
 第三に、特に経済誌の間では、金利が上がれば住宅ローンの負担が増えるから、マンションの売れ行きか落ちて、価格が下がる、今買うのは損だという主張が盛んである。
 この種の弱気論こそ、優等生が頭で考えた書生論である。金利が上がるときは景気が好転するときである。景気が好転するときには、先安期待が先高期待に変わるから、需要は逆に増える。
 現に、バブル時代は超高金利であったが、サラリーマンは競ってマンションを買った。
自宅ばかりか、リゾートの別荘にまで投資した。 そして、90年代には金利が低下してゼロ金利となったが、それでも不動産市場は売り手ばかりになった。事実を見れば、需要を刺激するのは金利よりも、相場観であることか明快に証明できる。
 セロ金利は、相場の視点、相場の真理から見れば、陰の極である。優等生は現状を分析して結論を出すから、弱気の局面では弱気の結論しか出ない。弱気人気が充満するなかで弱気論を主張すれば、わかりやすく、説得力がある。 しかし、それはなぜ下がったかという結果の解説にすぎない。解説と相場観は似ているようで、まったく違う。
未来は過去の延長線上にはない。未来は常に意外性のなかにある。 それゆえ私は多数意見を疑い、少数意見であることを恐れない。

「10年後の不動産投信の資金量は30兆円になる」

 ここで私の結論を提示しよう。私は不動産投信の将来の市場のスケールを、次のように強気に想定している。
第一段階は、5年後に5兆円。そのとき、不動産投信は主要都市の主要な不動産の価格形成に、十分な影響力を持っているだろう。 不動産相場は上昇に転じており、日本の金融不況は終息しているだろう。
第二段階は、10年後に10兆円。そのとき、日本全国の主要な不動産は、投資信託が価格支配力を握っているだろう。不動産相場は安定した、緩やかな上昇軌道をたどっており、日本独自の土地本位の金融システムが威力を回復しているだろう。
第三段階は、15年後に15兆円。そのとき、不動産投信は日本の不動産の流通市場を完全に支配し、利回りが不動産の価格形成のスタンダードとなる。 不動産の所有と経営が分離し、不動産投信は巨大な資金を蓄積して、不動産会社やデペロッパーを支配する存在に成長しているだろう。
 もっとはっきりいえば、10年以内に第三段階に達する可能性の方が強い。そのとき、レバレッジを利かせた不動産投信の資金量は30兆円を超える。

以上 「不動産が値上がりする!」(主婦と生活社)より

幸田昌則
1943年生まれ。九州大学法学部卒。
週刊住宅情報誌の編集責任者を経て、評論家・不動産アナリスト
著書「不動産 これから10年のトレンド」等

 日本の不動産市場は1990年を境として明らかに
革命的な変化をしました。それは 単にバブル崩
壊して不動産価格、特に地価が大幅に下落したということだけではなく、日本社会の構造的変化が不動産市場に大きな影響を直接的に与えるようになったということです。
 少子化、高齢化、離婚の増加、晩婚化などはすでに90年以前からの現象ですが、バブル崩壊を機に一気に顕在化し、それが不動産の取引に大きなインパクトを与えると同時に、不動産の資産価値にも変化をもたらし始めました。
 本稿では、不動産市場に影響を与えるようになってきた日本社会の構造的変化の内容を分析するとともに、不動産とは不即不離の関係にある金融、特に超低金利政策が不動産市場にもたらしている影響を確認します。

「日本社会の構造的変化」

 ここでは、住宅や土地などの需給関係がどのように推移しているかを把握しておきます。不動産の価格は他の商品と同様に、いつも需給関係によって決定されるものですから、数字で把握しておくことか重要です。

(1)住宅も住宅地もあり余る時代に

 われわれ日本人は、この50年間、住宅問題に悩まされてきましたが、東京圏でも住宅数は余っています。全国的にみても図表1で示されているように

約570万戸の空家があり、空家率も11%となっています。昨今の超低金利政策の長期化によって一段と住宅供給か進んでおり、今後ますます空家数が増加します。空家数は、持家だけでなく、賃貸アパート、貸マンションなどの貸家でも急増しています。
賃貸物件のオーナーには厳しい時代になりました。アパートなどの売却件数が近年増加している理由はここにあります。
 
 一方、オフィスの需要状況をみると、これも全国的に厳しいものとなっています。図表3は主要市の空室率

の推移を示したものですが、地方都市は全てここ2、3年間で大幅に悪化しています。これは企業のリストラが進み、支店、営業所など地方拠点の撤退が相次いだ結果です。加えて、金融機関の統廃合も増え、支店の縮小が加速しています。また東京地区は他の都市に比較して数字上では良いと推測されますが、、空室数は増加しています。その結果、近年では売りビルも多くなっています。
 
 次に、住宅地の供給についてみると、図表5でみ

られるよっに、明治以来一貫して増加しており、人
口の増加、都市集中化を反映して供給が進みましたが現在では大都市圏の郊外では、分譲地が空地のまま放置されているところもあります。購入希望者も地価が下落して買いやすくなり、利便性の高い中心部を求めるようになってきたため、郊外の土地の価値は急速に失われています。
 以上、住宅、オフィス、住宅地はこの50年間で極めて順調に供給され、気がついてみれば、周囲には、未利用の不動産が数多く残ってしまったのです。
これらに工場用地、倉庫、リゾート物件などを加えてみれば、他の商品と同様に潤沢な量がすで確保されています。残るは質の問題になりますが、次いで需要についてみてみましょう。

(2)不動産の需要は縮小傾向に

 少子化の問題が産業界では大きな課題としてとりあげられていますが、不動産、特に住宅についてもその影響か避けられないことはいうまでもありません。
図表7は、日本の人口を予測したものですが、向

こう数十年間は、予測というよりも確定している事
実としてみるべきでしょう。
 最近では、日本の人口は2007年頃から減少すると言われています。また、東京中心部など一部を除けば人口の流入も鈍化しており、住宅需要は弱まりこそすれ、強くなることは考えにくいところです。
むしろ少子化により利用されない住宅か増加していくのです。
 また、「夫婦+子供」という、いわゆるファミリー世帯数か増加せず、ファミリータイプの住宅は苦戦する時代にいずれ突入していくものと推測されます。
 さて一方では、不況による企業の倒産や所得の著しい低下で住宅ローンの支払いができなくなり破産に追い込まれる例が急増しています。個人の倒産である自己破産件数がここ数年過去最悪を更新しており、その結果自宅を売却、手放さざるを得ない人たちが多く、不動産市場に住宅が大量に放出されています。すなわち、超低金利政策による下支えはあるものの、失業や所得の低下によって、これから先は住宅需要は確実に低下していくトレンドにあります。
 
 不動産の需要者は個人だけではなく、企業も有力な需要者です。特に高度成長期には、その資金調達力を活かして大いに不動産を買いまくったもので、不動産価格を高値に支えてきました。
 しかし、経済のグローバル化が進むなかで、企業は所有する資産の「含み益」よりも「キャッシュフロー」を重視する経営姿勢をとるようになり投資についても不動産よりIT(情報技術)関連に比重をおくようになってきました。また、企業活動を行うのに必要な土地や建物についても、所有することに固執せず借地や賃借の方が良いとする企業が着実に増加しています。さらに、世界的な競合を強いられている企業では、地価や人件費、法人税などの高さを嫌って海外に工場を求め、国内での工場に対する需要は急速に弱まっています。全国の工業団地は荒地化しています。
 このように、土地に対する個人、企業のそれぞれの需要が弱まりつつあり、今後は、金利の上昇があれば、不動産の需要は一段と弱まるものと推測されます。
 以上のようにみてくると、不動産産業界もすでに
「物余りの時代」に入っていることが容易に理解できます。

「日本の地価の国際比較」

 日本の地価は10年間も下落していますが、国際的な比較をしてみると、まだ高水準にあることかわかります。図表8は1996年における地価の国際比較をし

たものですが、これを見ると、全ての地価において日本(東京)の高さが図抜けていることを知ることになります。
 このなかで注目すべきところは、一般住宅地の価格です。東京の161.6万円(坪当たり)に対してロンドンは11.9万円、フランクフルトは16.8万円、第2位の台北でさえ51.5万円てあり、驚くべき水準となっています。
 とはいえ一方では、図表9で示されているように

日本人の不動産取得能力も高いわけですから、当然地価の単純な比較はできません。
 しかし、こに来て、日本人の平均給与も2年連涜で減少していますし、経済のグローバル化によって地価もその影響は避けられず、これからさらなる下落を覚悟しなければならないことになります。

「超低金利政策の長期化」

 不動産の市況は需要関係によって決まるものですが、その鍵を握っているのは金利と金融の量です。
90年のバブルはまさにそのことを証明しています。超低金利は、住宅の取得と不動産投資を活発にしています。特に住宅については低金利だけでなく、融資量が官民合わせて桁はずれの高水準となって住宅および住宅地価の高値を支えてきました。
一方、余裕資金を持った資産家の間では、超低金利を嫌って、価格が下落し利回りが上昇して魅力的となった不動産に投資をする人たちが増加しています。
 さらに、不況下で急成長している企業も、ステータ
スと減価償却を求めて積極的な買いの姿勢になっています。
 しかし同時に、超低金利によって、資産のリストラが先送りされていることも事実です。

 これまで述べてきたことを整理すると
(1)不動産価格は一部の特殊な地域を除いて、また、下落していくこと
(2)長期的にみて、社会構造の変化のなかで、所有者が交代する時期にきていること
(3)超低金利による価格下支えは、金利の上昇によって困難となること
(4)資産家は低金利下て投資に積極的になっていること
などが挙げられます。

以上 不動産コンサルティング誌「不動産フォーラム」より

感想
 山本氏は今年発売になる「不動産投信」が不動産市況の救世主になると、元証券マンの立場から主張されている。幸田氏はバブル崩壊以前の1989年に不動産価格の大幅下落を予想し、業界の波紋を呼び、予測の正確さを実証した。現在も市況の変化を世に伝え続けており、不動産アナリストの第1人者である。
対談ではないので、論点が必ずしも合ってないが、視点を変えた今後の不動産の見方として参考になると思う。

2001-06-20.WED

千葉・外房の田舎暮らしHOMEへ
Topicsへ戻る