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路線価:12年連続下落、都心は下げ幅縮小

 国税庁は2日、相続税や贈与税の算定基準となる04年分の路線価を公表した。全国約41万地点の標準宅地の平均路線価は、1平方メートル当たり11万5000円で、前年より5.0%下がって12年連続の下落となった。下落率は前年(6.2%)より1.2ポイント縮小した。下げ幅は都市部で縮小し、地方では拡大する傾向が顕著になっている。東京都心の一等地は上昇傾向が続いており、一層「二極化」が進んだ格好だ。

 都市圏別の下落率は東京圏が2.7%(前年4.0%)、大阪圏7.7%(同8.7%)、名古屋圏6.0%(同6.5%)といずれも縮まった。この3大都市圏を除いた地方圏は8.2%(同7.7%)と拡大している。また、都道府県別の平均路線価の下落率は山梨が11.1%で最も大きく、次いで石川の11.0%。いずれも下げ幅が拡大した。

 都道府県庁所在地別の最高路線価は、東京都中央区銀座5丁目の銀座中央通りが1376万円で19年連続トップ。4年連続で上がっており、上昇率も前年の6.0%から8.2%に拡大した。

 このほか、付近に海外ブランド店が進出している東京都渋谷区神宮前5丁目表参道が9.8%、銀座4丁目と6丁目の銀座中央通りがそれぞれ8.3%、7.1%と高い伸びを示した。名古屋市では、駅前の再開発事業が進む中村区名駅南1丁目の名古屋長久手線が前年の下落率2.5%から上昇率5.1%に転じた。

 ◇都心では、まだ残る狂乱地価の後遺症

 12年連続で下落した路線価。だが東京都心の一等地では上昇が続き、80年代後半のバブル期初期の水準に近づいた地点もある。海外の高級ブランド店が近年相次いでオープンした東京・銀座の銀座中央通りは、その代表だ。ただ、付近の土地をバブル期に相続した地主の中には最近になり自宅まで手放した人もいる。都心では路線価上昇の陰で、かつての狂乱地価の後遺症がまだ残る。

 19年連続で日本一となった銀座5丁目の中央通りは、文具店「鳩居堂」前。04年分の路線価は1平方メートル当たり1376万円で、はがき1枚分の広さで20万4000円。ピーク時の92年分(3650万円)以降下落し、97年分は1136万円まで下がった。だが、01年分から4年連続で上昇。バブル初期の87年(1520万円)に近づいた。

 その銀座中央通りに面する老舗デパート・松屋の裏通りには、駐車場や従業員の休憩室などが入る同店東館などが並ぶ。敷地約2100平方メートルを所有していた不動産管理会社役員(60)は昨年1月、敷地を松屋に売却した。関係者によると、代金は約22億円。相続税などを支払うためだという。

 役員が相続した87年当時の路線価は581万円。バブルが始まり、前年比で90%近く急騰した。しかも当時の相続税の最高税率は75%だった。松屋の建物があるため土地の遺産価格は減額されるが、この土地分だけでも、相続税は概算で約18億円と見込まれる。渋谷区内の自宅なども相続し、税額はさらに膨らんだとみられる。

 相続税を滞納し、00年には国に土地を差し押さえられた。税金を払うため、借金もしていたという。所有をあきらめて松屋に売却し、昨年4月には自宅の土地も売った。この結果、皮肉にも今年5月、全国でも上位の高額納税者となった。

 04年分の松屋の裏通りの路線価は347万円。昨年から相続税の最高税率は50%に下がった。今年の相続なら、相続税は概算で約7億円。役員は「今の税額なら自宅まで売ることはなかった」と漏らした。

 ◆ことば(路線価) 主要道路に面した1平方メートル当たりの土地の1月1日時点の評価額。国土交通省が3月に公表する公示地価の8割程度を目安に、売買実例や不動産鑑定士の評価なども考慮し、国税庁が算出する。

■都市圏別の平均路線価■(1平方メートル当たり)

   2004年 03年変動率

東京圏 257  264 ▼2.7

大阪圏 155  168 ▼7.7

名古屋圏 94  100 ▼6.0

その他  56   61 ▼8.2

全 国 115  121 ▼5.0

(単位は千円、変動率は%、▼はマイナス)



千葉県内路線価 平均下落率6・7%に
12年連続ダウン

最高路線価 柏は下げ止まる

 東京国税局は二日、二〇〇四年分の土地の路線価を県内十四税務署などで公表した。県内約一万九千六百地点の標準宅地(住宅地、商業地、工業地)の路線価の平均額は前年より六千円低い、一平方メートル当たり八万三千円で、十二年連続で下がった。ただ、下落率は6・7%と前年の8・2%と比べ縮小。県内十四税務署別の最高路線価でも、柏市柏一丁目ハウディモール通りで十二年ぶりに下落から横ばいに転じたのが明るい兆し。その反面、東京国税局管内の八十四税務署中、下落率の高いトップ十位に千葉市以東、以南の県内六税務署が入っており、本県郡部の中心市街地の沈滞ぶりが最高路線価に映し出されている格好だ。

 路線価の県内平均は九二年の三十四万九千円をピークに下がり続けてきた。〇四年も下げ止まらず、前年比で六千円、6・7%減の一平方メートル当たり八万三千円となった。九三年以降、十二年連続での下落。ピーク時の23・8%まで落ち込んだ。

 四十七都道府県別の順位では、高知県に抜かれ前年の十位から十一位に後退した。

 下落率の6・7%は全国平均の5%より1・7ポイント高いが、全国一位となった〇〇年(11・9%)から五年連続で下落幅は縮小している。全国順位でも二十八位と、前年の十四位と比べ改善傾向にある。

 県内十四税務署管内で路線価が最高となったのは、十七年連続で千葉市中央区富士見二丁目千葉駅側通り。一平方メートルで百三十六万円(前年比2・2%、三万円減)。ピーク時の九百八万円と比べると、わずか15%となった。

 二位は柏市柏一丁目ハウディモール通りの百十七万円。百貨店を中心に若者が集まる高度商業地区としてにぎわっており、県内税務署管内で唯一、価額の下落が止まり、前年比で横ばいとなった。

 最高路線価の下落率でみると、木更津市東中央一丁目木更津駅前広場通りが18・8%で最大。次が茂原市千代田町一丁目茂原駅前広場通りの17・2%、佐原市北二丁目水郷商店街通り13・6%の順。駅前に近い中心市街地で空き店舗・事務所が目立つなど空洞化が進んでいる地点だ。

 東京国税局管内(千葉、東京、神奈川、山梨)の八十四税務署の中でみても、本県郡部の六税務署管内の最高路線価が10%以上の下落率を示し、全国ワースト十位内に入るなど、他の都市に比べ地価回復の動きが鈍くなっている。

 しかし、東京圏に近い税務署管内を中心に、十一署管内で前年より下落率自体は縮小しており、県都市計画課では「東京に近いJR総武線、京葉線、常磐線沿線は土地需要が堅調」などとして、全般的に地価下げ止まりの兆しが出ているとしている。

2004-08-03.TUE

毎日新聞(武本記者)・千葉日報より

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