◆住宅ローン返済が苦しい、どうしよう！

　◇返済猶予法の活用が可能　金融機関に早めの相談を

　なるほドリ　パパのボーナスが激減しちゃった！　住宅ローンの返済に困ってるみたい。

　記者　景気低迷の影響で賃金やボーナスが下がる企業は少なくありませんね。特にボーナス減は住宅ローン返済に大きく影響し始め、深刻です。

　Ｑ　払えないとどうなるの？

　Ａ　滞納が原因で、金融機関や保証会社が裁判所を通じて借り手のマイホームを競売にかける件数が増えています。不動産競売流通協会によると、８〜１０月の全国の戸建て競売件数は前年同期比１・３倍の１万１６１３件。増加率では愛知が同５・５倍と最高で、トヨタ自動車や自動車関連産業の業績ダウンが影響しているとみられます。

　Ｑ　滞納したらすぐ競売にかけられるの？

　Ａ　滞納が数カ月続くと債権が保証会社に移り、約１年ぐらいで競売にかけられるようです。昨秋のリーマン・ショックによる競売の増加は、今年末から来春に本格化しそうです。

　Ｑ　国は何もしないの？

　Ａ　今月４日に「中小企業者等金融円滑化臨時措置法（返済猶予法）」が施行されました。中小企業や住宅ローンの借り手から申し出があれば、金融機関はできる限り貸し付け条件の変更に応じるよう定めています。借り手の求めを断ったりしていないか、財産や状況を踏まえて相談に応じているかなど、金融庁は金融機関の対応をチェックする予定です。

　Ｑ　少しは楽になるのかな。

　Ａ　金融庁は「メリットもデメリットもある」としています。当面の返済が猶予されれば、住宅を失う不安は消えます。でも一方で、利息が増えて総支払額が膨らむこともあります。

　Ｑ　どんな変更を頼めるの？

　Ａ　ファイナンシャルプランナーの鍵山健一さんによると（１）返済期間を長くする（２）ボーナス分を月払いに振り分ける（３）金利だけ払い、元本返済を繰り延べる−−などです。ただし元本は変わらないので、景気が好転したら繰り上げ返済を勧めています。返済のため貯蓄を崩すような状況なら、借入先の金融機関に相談したほうがいいでしょう。鍵山さんは「返済のため消費者金融などから借金するのだけはやめましょう。多重債務者への道です」と呼びかけています。（生活報道部・遠藤和行氏）

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　◇戸建て競売数の増加率

　０９年８〜１０月（前年同期比）

（１）愛知県　５．５倍

（２）沖縄県　３．８倍

（３）高知県　２．８倍

（４）秋田県　２．７倍

（５）福島県　２．４倍

（５）三重県　２．４倍

　不動産競売流通協会まとめ