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公示地価 商業地8年ぶり上昇 訪日客増加が貢献

  

 国土交通省は22日、2016年1月1日時点の公示地価を発表した。商業地の全国平均が8年ぶりの前年比上昇に転じ、東京・銀座では最高値を更新。住宅地は8年連続で下落したものの、下げ幅は縮小した。地方圏は商業地、住宅地とも下落を続けているが、下落幅は6年連続で縮小し、地価の回復傾向に広がりも見られる。企業業績の改善や金融緩和に加え、訪日外国人観光客の増加が地価を押し上げた。

 商業地は全国平均で0・9%上昇(15年は0%)。住宅地は同0・2%下落(同0・4%下落)した。東京、大阪、名古屋の3大都市圏と、札幌、仙台、広島、福岡の地方中枢都市は商業、住宅地とも上昇した。

 商業地の最高値は東京都中央区銀座4の「山野楽器銀座本店」前。1平方メートルあたり4010万円(上昇率18・6%)と、8年ぶりに高値を更新した。上昇率では、大阪市中央区心斎橋筋2の45・1%がトップだった。商業地の上昇幅が拡大した背景について、国交省は「訪日外国人観光客が増え、店舗などの収益が改善したため」と分析する。景気回復や超低金利を背景とする不動産投資の拡大でオフィスビルの需要が増える中、“爆買い”などで小売店やホテルの収益率が改善した。

 住宅地は「住宅ローン減税や住宅ローン金利の低下が需要を下支えしている」(国交省)といい、都市圏などでは上昇を維持した。ただ、商業地より回復の勢いは弱く、上昇は10都県にとどまった。

公示地価:出店需要が押し上げ

 国土交通省が22日発表した公示地価では、訪日外国人観光客の増加や、都市部で底堅いオフィスビルの需要などが、商業地の地価を押し上げた様子が浮き彫りになった。金融緩和によって市場にあふれたお金がこうした不動産に投資され、地価を引き上げている。住宅地の地価も金融緩和で進んだ低金利などを背景に下げ止まりつつあるが、マンション価格の高騰などが先行きの不安材料となっている。

国交省、バブル否定

 上昇率が45・1%と商業地で全国トップとなった大阪・心斎橋には、中国や東南アジアから多くの観光客らが押し寄せる。2015年に大阪府を訪れた外国人観光客は716万人と前年の約2倍。その旺盛な購買力が「物販店の出店を促し、ホテル用地の需要を高めた」(大阪府用地課)。大阪市内は今回、地価上昇率全国10位に6地点が入った。

 東京・銀座は商業地地価の全国上位5位までに4地点が入った。デパートや人気のブランド店が建ち並び、外国人観光客などの人通りが絶えない。出店競争が盛んで、不動産サービス大手「CBRE」によると、1坪(3・3平方メートル)の想定成約賃料が月40万円と2年前から約3割上昇したビルもある。同社の担当者は「人気が高いので空き店舗が出るとすぐに埋まる」と、旺盛な需要を語る。

 また、オフィス需要が好調な東京では今年1月の都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の平均空室率は4%と、9%だった12年の半分以下になった。こうした地域の不動産には、日銀や欧米の大規模な金融緩和でだぶついた資金が流れ込む。利回りが比較的高く人気がある「不動産投資信託」(REIT、リート)は、投資家から集めたお金でオフィスビルなどに投資しており、地価を引き上げる要因になっている。

 2桁の上昇率が目立ち、バブル的な地価上昇が起きているようにも見えるが、国交省は「賃料の値上がりという『実需』があり、バブルではない」と分析する。1990年前後のバブルと比べると、東京以外への地価上昇の広がり度合いが異なっている。今回は東京の最高価格地点が過去最高を記録したのに対し、大阪市や名古屋市ではピークだった91年の3割程度にとどまっている。ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミストは「実需によって地価を押し上げている側面が強く、地域的な広がりは今のところ限定的だ」と指摘する。

低金利、住宅底堅く

 住宅地は全国平均の下げ幅がリーマン・ショック以降で最小になり、下げ止まりつつある。国交省によると、不動産取引の傾向を示す土地取引件数は、2015年が全国で約147万8000件と前年より2・2%増えた。日銀の金融緩和に伴う住宅ローンの金利低下が、需要を下支えしている。

 東京都調布市で積水ハウスが建築中の「グランドメゾン仙川」は、305戸中300戸が契約済みで、同社の伊藤啓一・東京マンション事業部販売1部長は「ほぼ計画通りの販売ペース」と自信をみせる。最寄り駅から徒歩20分程度かかるものの、販売価格を4500万円前後に抑えたことが功を奏したという。調布市の住宅地は1・1%の上昇で、不動産経済研究所の松田忠司・主任研究員は「低金利などで、住宅地の需要は今後しばらくは底堅い」と分析する。

 ただ、全国を見渡すとマンション市況が勢いを欠く。不動産経済研究所のまとめでは、15年の全国のマンション販売は7万8089戸と前年比6・1%減だった。建築費や人件費が高騰し、販売価格が値上がりしているためだ。1戸あたりの平均価格は1973年の調査開始以来最高の4618万円になった。

 マンションが売れなくなれば、業者が用地取得する動きも鈍くなり、「地価を下押しする要因になる可能性はある」(松田氏)。住宅地の価格は下げ止まりつつあるが、再び下げ幅を広げる懸念もある。

 

 千葉県の公示地価3年連続上昇

 国土交通省が22日に公表した県内の公示地価(1月1日現在)の平均は前年比0・4%増となり、3年連続で上昇した。用途別では住宅地が0・2%増、商業地が0・9%増、工業地が1・5%増で、2年連続の全用途上昇となった。地価公示鑑定評価員の佐藤元彦・県代表幹事は「景気が良くなり、土地を求める人や企業が増えた」とみている。

住宅地の平均は1平方メートルあたり9万7300円で、前年比900円増。市区町村別では、東京湾アクアラインに近い君津市、木更津市で上昇傾向が続いている。一方、栄町や我孫子市などJR成田線沿線は、団地住民の高齢化などで需要が少なく、下落傾向だ。

 商業地の平均は1平方メートルあたり23万7600円で900円増。住宅地と同様にアクアライン近くのほか、駅前の開発が進む成田市で上昇した。

 住宅地、商業地はいずれも東京に近い地域で上昇傾向だが、外房地域では横ばいや下落が多い。

 工業地の平均は2500円増の5万2900円で、市区町村別に平均変動率をみると、柏市が6・9%増と県内最高となった。地点別の変動率では、船橋市潮見町の13・7%増が全国トップ、柏市青田新田飛地の11・9%増が全国2位だった。物流施設の需要が、東京湾沿いから内陸部に広がっているとみられる。

 茂原市・長生郡の地価へ (3/23更新)
2016-03-23.WED

毎日新聞・読売新聞より

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