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バブル期上回る 東京一極集中が加速、都心開発が後押し


国税庁は3日、相続税や贈与税の算定基準となる2017年分の路線価(1月1日時点)を公表した。全国の平均変動率は前年比0.4%プラスとなり、2年連続で上昇した。東京都の最高路線価はバブル期末期を超えて最高額を更新。マイナス金利による不動産投資や再開発の活発化、訪日客を見込んだ店舗・ホテル需要の高まりなどを追い風に、札幌など地方の中枢都市でも上昇が加速しており、下落傾向の地方圏との二極化が顕著だ。

 都道府県庁所在地の最高路線価の上昇は前年より2市多い27都市。東京・銀座の鳩居堂前が上昇率トップの26.0%で、1平方メートル当たり4032万円はバブル期末期の1992年の3650万円を25年ぶりに更新した。複合商業ビル「ギンザ シックス」に代表される再開発ラッシュが後押しした模様だ。訪日客が多い京都市20.6%、札幌市17.9%、大阪、横浜両市が15.7%で続いた。名古屋市は大規模再開発が一段落して4.8%と、4年ぶりに上昇率が10%を下回った。

 都道府県別では、13都道府県が上昇した。上げ幅は宮城が3.7%で2年ぶりのトップ。仙台市の地下鉄整備や、震災以降の近隣からの商業機能の集結、東北の物流拠点としての存在感が高まっていることなどが要因とみられる。

 次点は東京と沖縄で3.2%。福島は1.9%で、大阪と愛知を3年連続で上回った。ただ今年も、東京電力福島第1原発周辺の土地は評価額が「ゼロ」とされた。

 下落したのは前年より1県減り32県。下げ幅が最も大きかったのは前年と同じ秋田で2.7%。熊本が昨春の地震の影響で上昇からマイナス0.5%に転じ、岩手はマイナス0.8%から1.0%に下げ幅が拡大した。残る大多数の県は下げ幅が少し縮小した。

 みずほ証券の石沢卓志・上級研究員は「銀座は訪日客の増加という実需に基づき上昇しており、転売による地価高騰を追求したバブル期と様相が異なる。今後の大きな値崩れは考えにくい。地方圏の下げ幅縮小は景気回復ではなく、下がりきったためだろう。人口減への手立てがなければ、地方が上昇に転じる可能性は低い」と話した。


上昇 訪日客向け開発、地方波及 宿泊施設投資で差拡大

「爆買い」の減速など訪日旅行客の消費動向の変化を受け、宿泊ビジネスへの投資やホテル開発などが近年、東京から地方に波及している。だが、訪日客を呼び込む魅力や発信力がある地域と、ない地域の差は広がっており、地価の二極化の一因との見方もある。

 品川駅の北約1キロに位置する東京都港区の泉岳寺地区。JR東日本が40年ぶりの山手線新駅開業を発表した2014年以降、ホテルが2施設オープンし、さらに2施設の建設が進む。17年分(1月1日時点)の近隣の路線価は14年分に比べ46・0%も上がった。15年度までの過去5年間に都内で営業許可を受けたホテルなどの宿泊施設の数は、港区や台東区、中央区で増加分が突出している。

 国の統計によると、16年度に着工された全国のホテルなど宿泊施設は1568棟で、リーマン・ショック前の07年度(1384棟)を9年ぶりに上回った。最多は沖縄の262棟。北海道や東京、大阪、京都が100棟以上だ。逆に10棟以下も15県あった。

 既存ホテルの売買や営業譲渡などの取引について、不動産専門の都市未来総合研究所(東京)が調べたところ、15年は約200件と前年の倍に増えた。うち約6割が3大都市圏以外で、沖縄や北海道、福岡など訪日客に人気が高いエリアで活発化していた。17年分の路線価の税務署別上昇率を見ても、トップは北海道倶知安町の「ニセコ高原比羅夫線通り」の77・1%。

 同総合研の下向井邦博主任研究員は「魅力的な観光資源がある地域の宿泊施設に資金が集まり、地価も押し上げる流れは変わらないのではないか」と推測する。東急ステイは20年のホテル展開目標を「都内20施設」から「地方進出を含めた30施設」に引き上げた。高谷昌吾社長は「政令指令都市を中心に展開したい。ただ、大型客船や民泊の動向を慎重に見極める必要がある」と話す。

京国税局が1日公表した相続税や贈与税の課税基準となる2015年分の路線価は、県内約1万9000の標準宅地の平均で前年比0・3%上昇し、2年連続のプラスとなった。県内の最高値は「船橋市本町1の船橋駅前通り」で、1平方メートル当たり128万円。船橋や市川など県北西部が上昇する一方で、県庁所在地を抱える千葉市中心部はオフィス需要の減退などから、下落が続いている。


毎日新聞より
2017-07-04.TUE
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