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平成12年の基準地価について
(平成12年7月1日現在地価/国土庁発表)

 基準地価、9年連続下げ・3.6%下落  住宅地2.9%、商業地6.3%

 国土庁が19日発表した今年7月1日時点の基準地価(都道府県地価調査結果)は全国平均で前年比3.6%下がり(前年下落率は3.6%)、9年連続で下落した。企業がリストラ(事業の再構築)の一環として土地の売却を続ける一方、企業や個人が依然として購入に慎重な姿勢を崩していないためだ。下落率は住宅地が2.9%と前年(2.7%)より拡大する半面、商業地は6.3%と前年(6.6%)より縮小した。収益力の高い大都市の一部では下げまりの兆しも出ているが、条件の劣る土地では依然として下落に歯止めがかからない状況が続いている。

 全国の商業地はピーク時(1991年)と比べ44.1%、住宅地は17.1%それぞれ値下がりし。1983年を100とした場合の商業地指数は97.5と、バブル発生前の1982年とほぼ同水準にまで落ち込んだ。3大都市圏の地価は住宅地、商業地とも10年連続の下落。金融機関の不良債権や、ゼネコン(総合建設会社)、流通などが抱える土地の含み損が一段と拡大しそうだ。

 住宅地を見ると、都道府県別の下落率では千葉県が10.8%でトップ。以下、大阪府(下落率7.1%)、埼玉県(同6.5%)の順。通勤・通学に長時間を要するなど都心部に比べ立地条件に劣る都心郊外部の土地の供給過剰の実態が裏付けられた。

 地方の住宅地価下落率も1.8%と過去最大となった。前年調査で地価が上昇した山形県、鳥取県、宮崎県が下落に転じた。地価が上昇ないしは横ばいの人口10万人以上の地方都市は前年調査の18から11に減るなど、都市部の住宅地下落の影響が地方部にまで広がりつつある。

 ただ、東京圏の住宅地価の下落率は6.7%と前年(7.3%)に比べ下げ幅が縮まった。地価下落で不動産業者などがマンションや戸建て用地を積極的に取得し、郊外部居住者の都心回帰が堅調に推移しているのが背景だ。

 商業地は3年ぶりに地価の下落率が縮小した。特に東京都区部中心部では情報技術(IT)関連や外資系の企業のオフィスや店舗に対する需要が底堅く、前年調査より地価が上昇する地点が新宿区と中央区に2年ぶりに出た。前年に比べて横ばいの地点も前年の2から5に増えた。

 ただ、こうした地点は収益力のある一部の土地に限られる。大阪圏では大阪市の中央区など中心6区で下落率が19.3%と前年より6.4ポイント拡大した。名古屋市では下落率が6.6%(前年14.4%)と下落のピッチは鈍ったものの、なお下落圧力は強い。

 国土庁は「大都市圏では前回より下落幅が縮小している地域が増え、利便性や収益性に優れた土地と、それ以外の土地の価格差が一段と広がっている」(地価調査課)と分析している。


 土地、利便・収益性重視強まる
  
 基準地価がなお下げ止まらない。都心の一部などで利便性の高い土地需要は高まっているが、全体的には供給圧力の方が強く需給バランスは崩れたまま。中期的に経済の情報技術(IT)化が進めば、重厚長大企業に依存していた時代に比べ土地需要は低下するとの見方もある。供給過剰のなかで、利便性や収益性を基準とした土地の選別が一段と強まる見通しだ。

 森ビルによる東京・港区六本木6丁目の大規模複合施設。延べ床面積約20万平方メートルのオフィス棟の竣工(しゅんこう)予定は2003年春だが、外資系企業、金融機関などから延べ床面積のほぼ2倍の引き合いが入っている。こうした土地需要は利便性の高い一部に限られる。

 一方で、土地の大量供給は当面続く見込みだ。東京23区内では2001年から2003年まで大規模オフィスビルの建設ラッシュが続く。バブル崩壊で中断していた事業が再開する例が多く、供給床面積は年平均120万平方メートル程度とバブル期に匹敵する。

 加えて、リストラの一環で放出する企業の本社ビル、社宅・寮などの福利厚生施設、工場が地価下落に拍車をかける。特に新しい大型マンションは「半数以上が企業の運動場や工場跡地を利用したもの」(石沢卓志・第一勧銀総研上席主任研究員)だ。

 供給超過の状況では買い手の方が強く、企業や個人による土地の選別が進んでいる。その結果、都心部と周辺部の地価の格差が広がるだけでなく、周辺部の間でも利便性などを基準に地価の格差が広がる「地価の多極化」が進んでいる。

 商業地をみると、東京から数十―100キロメートル離れた地域でも埼玉県だと地価下落率は10%程度と前年より縮小する一方、千葉県は18%前後と拡大した。「埼玉県は後背地に北関東・東北を抱え物流拠点として利用できるため」(不動産鑑定士)だ。住宅地では千葉市より先の市原市や、大阪府岸和田市が10%以上下がった。限られたところに人気が集中する「優勝劣敗」の構図が一段と鮮明になってきた。

 IT、土地需要のけん引車にならず
  
 情報技術(IT)が東京の都心部の一部で土地需要を生み出し、地価を下支えしている。ただ、知恵で勝負するIT関連企業は従来型の重厚長大企業に比べて土地を使わないため、中期的には土地需要は減っていく可能性がある。

 「渋谷にオフィスを構えたいとの引き合いが多く、古い中小ビルでも品薄感が強い」。貸しビル仲介業者はこう話す。顧客の大半はIT系のベンチャー企業など。ネット関連企業が集積し「ビットバレー」と呼ばれる東京の渋谷周辺では需要超過の状態だ。

 社団法人の東京ビルディング協会の7月調査によると、東京都心部のうち千代田、中央、港の3区は4月と比べオフィス賃料水準が低下したものの、渋谷区は16.7%上がった。

 だが、こうしたITによる不動産需要は東京に「一極集中」しており、広がりがない。IT関連企業の進出が少ない大阪中心部は地価が下落し、ましてや地方はITとは無縁だ。

 さらにIT化が電子商取引が普及すれば、例えばデパートに足を運ばなくても欲しい商品が手に入る。家庭で仕事のできるSOHO(スモール・オフィス・ホーム・オフィス)はオフィス床面積の減少要因だ。

 霧島和孝・住友生命総研主任研究員は「ITは基本的には土地・建物などの必要性が薄い」と指摘する。政府はIT振興に躍起だが、その結果、産業構造が変われば、流通・生産拠点としての土地の重要性は低下する。これはいわば「場所がいらない経済」で、地価の観点からは下落圧力が強まる可能性がある。

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2000-09-20.WED


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